<価格の確認>、<用途確認>の通知が届いた
税関から、商品の値段の確認と使用目的の確認のために一旦、税関で荷物が預かり状態になり、輸入者に対して通知(ハガキ)が確認の届くことがあります。
これは、関税の計算のために確認として届く通知ですので、慌てず対応しましょう。
個人輸入と商用(商業)輸入
輸入の種類には主に自身の、あるいは友人、知人、家族などのために使用目的として輸入する個人輸入と販売目的で輸入する商用輸入があります。
そして個人輸入と商用輸入とでは、関税の計算式が異なります。
通常は輸入する量により、個人輸入なのか商用輸入なのかを通関士が判断をすることが殆どですが、数量的に曖昧な場合には荷物が税関で一旦、預かりとなります。
<価格の確認>、<用途確認>の通知が届くのは関税の計算のためです。
個人輸入の関税の計算式
商品価格×60%×(関税率+消費税率)+通関手数料
個人輸入の場合は課税対象額が1万円以下なら関税、消費税の支払いを免除されます。
上記の通り個人輸入は“商品価格×60%”が課税の対象になりますので、商品価格が16,666円以下であれば16,666×60%=9,999円となり、課税対象にはなりません。
商用(商業)輸入の関税の計算式
(商品価格+送料)×(関税率+消費税率)+通関手数料
Invoice(インボイス)
通常、荷物を海外へ発送する場合にはインボイスという書類を作成して、荷物と一緒に提出します。
インボイスには差出人、受取人の名前、連絡先、住所、発送手段、荷物の個数、中身の商品ごとの数量、単価などを記載していますので、こちらがあれば本来は税関では税金の計算ができるのですが、確認の意味もあって輸入者に<価格の確認>をすることがあります。
発送業者(代行業者)にはインボイスがありますので、税関から<価格の確認>を求められた場合にはメールでインボイスの送付を依頼して、そちらを税関にFAXすれば大丈夫です。
また管轄の税関により対応が異なることもありますが、急ぎの場合には、見積もり書での代用も出来ることがあります。
輸入禁止物を輸入してしまった場合
関税法により、輸入が禁止されているものと輸入が規制されているものがあります。
輸入が禁止されているものや規制されているものが税関で止められてしまった場合は、残念ながら商品を破棄するしか手段がありませんので、商品を選ぶときには充分に気をつけましょう。
輸入が禁止されているもの
・麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具
・指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)
・けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
・爆発物
・火薬類
・化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び8.同条第21項に規定する二種病原体等
・貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード(生カードを含む)
・公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
・児童ポルノ
・特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
・不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品
中国からの輸入でよくありがちなのが、商標権や著作権を侵害する商品(コピー商品)等です。こちらは知らなかったというのも通用しません。
税関で商品を止められた場合は破棄しなければなりません。
また、いわゆるコピー商品を日本国内で販売してしまうと刑法に触れてしまい逮捕されることもありますので、怪しいという商品特にブランド品やキャラクター商品などには手を出さないように商品選定の際には充分に注意しましょう。
疑わしいものには手を出さない心がけが必要です。
輸入が規制されているもの
・食品衛生法に関わる商品
・植物防疫法に関わる商品
・医薬品・化粧品等
・ワシントン条約該当物品
・銃砲刀剣類所持等取締法に関わる商品
こちらは輸入禁止では無いですが、輸入するのに届出や許可が必要なものです。
輸入物について検査が必要だったり、場合によっては資格が必要になりますので、輸入上級者になるまでは手を出さない方が無難と言えます。
食品衛生法に関わる商品には、食器類のほか、風船やストローなど直接口に含むもの、赤ちゃんの知育玩具等も含まれるので注意が必要です。
また、たとえば香水など直接肌に触れる液体は医薬品・化粧品等という括りになります。
税関の管轄と問い合わせ
荷物が税関で止められた場合、どのような手続きが必要か分からないときは遠慮せずに管轄の税関へ問い合わせをしましょう。
税関名 | 管轄 | 電話番号 |
---|---|---|
函館税関 | 北海道、青森県、岩手県及び秋田県 | 0138-40-4716 |
東京税関 | 山形県、群馬県、埼玉県、千葉県(一部)、東京都、新潟県及び山梨県 | 03-3529-0700 |
横浜税関 | 宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県(一部)及び神奈川県 | 045-212-6156 |
名古屋税関 | 長野県、岐阜県、静岡県、愛知県及び三重県 | 052-654-4139 |
大阪税関 | 富山県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県及び和歌山県 | 06-6576-3371 |
神戸税関 | 兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、徳島県、香川県、愛媛県及び高知県 | 078-333-3118 |
門司税関 | 山口県、福岡県(一部)、佐賀県(一部)、長崎県(一部)、大分県及び宮崎県 | 050-3530-8373 |
長崎税関 | 福岡県(一部)、佐賀県(一部)、長崎県(一部)、熊本県及び鹿児島県 | 095-828-8669 |
沖縄地区税関 | 沖縄県 | 098-862-8692 |